主な登場人物
・黒原 薫 :主人公 28歳 OL
・紺野 理沙子:白百合会主催 37歳
・熊谷 陽子 :白百合会メンバー 33歳
・金森 志津子:白百合会メンバー 44歳
・田中 純 :白百合会メンバー 29歳
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5月○日 金曜日
薫は会社を休んだ。
会社に行っても、仕事は手に付かないだろう
いつもよりも早く目が覚め、ゆっくりとお風呂に入った
身体は、午後に訪れる非現実世界を期待するかのように火照っていた
乳首は触れてもいないのに、硬く尖がり上を向いている
花芯もタオルが触れるだけで、敏感に反応する
恥毛を丁寧に整えた・・・全て剃るか悩んだが・・・
10時に身支度を整え、家を出た
いつも見慣れた風景さえも、真新しく見える
普段は憂鬱に感じる雨でも、まるで歓迎されてるかのように思った
マンションKONNOは、家から電車で30分程で、主要駅で1回乗り換えるだけの距離
主要駅で電車を降り、デパ地下で持ち寄り用の食材を買い込んだ
初めての参加で、何が必要か分らなかったが、気が高揚して色々と買い込んだ
サラダ・・・チキン・・・ワイン・・・デザート
『会費も安いし、この位なら懐は痛まないわ』
買い物を終えて、時計に目をやると針は11時半を指していた
近くのカフェに入り、コーヒーとサンドウィッチを注文した
『どんな世界なのかしら・・・』
『皆さん、私を受け入れてくれるかしら・・・』
『どんな方が来るのかしら・・・』
あと数時間で訪れる世界に、頬を赤らめ、鼓動を早め、身体を火照らせ、考えを巡らせた。
時計が12時を少し回った頃
少し早き気がしたが、全く土地勘の無い場所なので、
薫は席を立ち、マンションKONNDOに向かう電車に乗り込んだ
車内の路線図で5駅先の○×駅
電車内でも『あの人も参加するのかしら?』『この人は?』
など勝手な想像をし、妄想の世界に浸った。
15分もしない内に、目的駅に着いた。
雨は本降りになり、駅前も閑散としていた
駅を中心に放射線状に広がる道
『どの道を進めば、マンションに着くのだろう・・・?』
駅前の地図を見ても、土地勘が無い為に、イマイチ分らない
その時、後から聞き覚えのある声が聞こえた
「薫さんよね?」
志津子の声だ。大きな鞄を持ち、こちらに微笑を向けていた
「・・・はい。志津子さんですよね?」
「場所知らないわよね?私と一緒に行きません?」
薫は、志津子の申し出に素直に従い、一緒にマンションへと向かった
志津子は、44歳と言う年齢を感じさせるふくよかな体型で、大らかな性格で包容力を感じるタイプ
マンションへ向かう途中も会話が途切れる事無く、薫の昂ぶった感情が良い様に抑えられた。
マンションに着くと、そこには高級マンションの風格があった
エントランスの入り口には重厚なドア
オートロックの為、志津子はインターホーンで801を押した
暫くすると、理沙子の応対する声が聞こえ、重厚なドアは電子音と共に開いた
エントランスには、大きなソファー、綺麗に飾られた生け花、壁には絵画が掛けられている
薫はキョロキョロと周りを見回しながら、志津子の後を追った
エレベーターが3基あり、その一番奥が7−8階専用と書かれていた
『うちのマンションとは全然違う・・・』
呆気に取られる表情を浮かべている薫に、志津子は
「凄いでしょー。紺野さんのマンション、中はもっと凄いのよー」
「・・・」
薫は、言葉を発せ無かった。
ポーンっとエレベターが8階に止まった
扉が開くと、真っ赤な絨毯が敷かれた長い廊下が伸びている
その先に、マンションとは思えない豪華な雰囲気を醸し出す扉がそびえ立っている
扉の上には、カメラが備え付けられている
志津子はインターホンのボタンを押すと、頭上のカメラが2人に焦点を合わせ止まった
「カチャ」
また電子音と共に鍵が開いたのが分った
取っ手を引き、いよいよ非現実世界の扉が開かれた・・・
3畳くらいありそうな大理石の玄関
ここにもエントランスと同じ様に綺麗な生け花
靴が数足綺麗に並べられている
志津子が即すように、スリッパを用意してくれた
薫は靴を脱ぎ、大邸宅への一歩を踏み入れた
長い廊下、いくつものドア、中からは賑やかな声が聞こえる
志津子の案内で、その内の1つの部屋のドアを開ける
そこには、3人の女性が談笑を楽しんでいた
その内の2人は理沙子と陽子であった
薫達に気が付いた理沙子は、手招きをし談笑の輪に呼び込んだ
陽子が「久し振りね、元気にしてた?会えて嬉しいわ」と話し掛けてきた
薫は頷き返答をした
理沙子がグラスを置き、咳払いをした
「今回のメンバーは、この5人です。大いに楽しみましょうね」
拍手が鳴った、理沙子は続け
「新メンバーの薫さん、年齢は28歳で今回の最年少さんよ、皆取り合わないようにね」
皆クスクスと笑い出した
初めて会う小柄で可愛い感じの女性が
「初めまして薫さん。私は田中 純 29歳です。よろしくね」
薫も自己紹介をした
持ち寄った食材を大きなダイニングテーブルに出し始めた
高級店の料理・・・高価なお酒・・・
薫は、自分の持ってきた物に、少し恥ずかしくなった
陽子が隣に来て耳元で
「良いのよ気にしないで、食べたい物を持ってくれば。無理すると続かなくなっちゃうから」
そう言って、紙袋からタッパーを取り出しテーブルに出した
周りからは
「陽子さんの手作り料理だ」
「陽子の料理本当に美味しいもんね」
「いいなー料理できるの」
など歓声が起きた。陽子は少し照れながら、タッパーを皿へ移した
薫もデパートの紙袋から、買った物を出した
「あー○○のサラダだ。私食べたかったのー」
「ここのチキン並ばないと買えないんですよー」
など、皆喜んでくれて、薫はホッとした
その顔を見て陽子も微笑んだ。
立食式の食事は、代わる代わる薫の隣に人が来ては楽しい会話をした
理沙子・陽子・志津子・純
皆、優しく薫の入会を歓迎してくれた
その空間に、理沙子に見せられたファイルのような影は感じられなかった
宴は2時間程続いた
皆お酒を飲み、大いに食事と会話を楽しんだ
理沙子が腕時計に目をやり、志津子に耳打ちをした
志津子は、1つの扉を開け中へと姿を消す
暫くして、理沙子も同じ扉へ姿を消した
部屋の電気が消え、カーテンが自動的に閉まっていった
部屋が完全に真っ暗になると、間接照明の優しい光が部屋を包んみ、JAZZの音楽が流れ出した
それを合図に、残った2人陽子と純は、扉の方へ
薫は、何が起こるか分らずに2人の後を追って扉の方へ向かった
取っ手に手を掛け、扉を開くとそこには・・・
薫の求めていた非現実世界の光景が現実として現れた
つづく
テーマ : 短編小説 - ジャンル : 小説・文学
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)